耳鳴りは耳が悪くなっているサイン

 

 キーンと響く金属音やジジジーッというせみの鳴き声のような音、そして、ピーッという電子音などが聞こえ、しばらくしたら消えていく耳鳴り。

 

 短時間で終わる耳鳴りは、誰でも経験したことがあると思います。

 

 しかし、最近では、もっと頻繁に耳鳴りが起こり「日常生活の妨げになる」と、相談に来る方も増えています。

 

 耳鳴りの原因は、現在でも特定されていません。

 

 耳鳴りは、疲れや睡眠不足、鼻炎などが原因で、耳管の状態が不安定になり、起こることがあります。

 

 ストレスが重なると、耳にある、音を伝えやすくする有毛細胞が摩耗して、耳鳴りになることもあります。

 また、内臓など、体のほかの器官の不調が原因で、血流が悪くなり発生するケースもあります。

 

 さらに、聞こえづらくなった音を、脳が補おうとして、耳鳴りを起こすことがあるともいわれています。

 

 いずれにしても、しょっちゅう耳鳴りに悩まされるのは、耳の機能が衰え始めているということです。

 

 一説によると、「耳鳴りの9割には難聴が伴う」ともいわれています。

 

 耳鳴りは「気にしないようにすればすむ」ものではありません。

 

 耳鳴りは「耳が悪くなっているサイン」だと受け止め、きちんと対策をとるようにしてほしいのです。

 

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仕事ができないのは、耳が遠いせいかも

 

 私は、聞こえづらいのを放っておくことは、足先に刺さったトゲをそのままにしておくのと同じだと考えます。

 

「トゲくらい、たいしたことない」

 

「そのうち、自然ととれて行くよ」

 

 などと考えてそのままにしておくと、なんとなく、いつも足に違和感を感じるはずです。

 

 そして、本人はそう思っていなくても、意識が足先に向いてしまいますから、集中力は確実にダウンします。

 

 また、ゴロゴロしたり、チクチクしたりすることにいら立ち、まわりの人たちに、普段とは違う態度をとってしまうかもしれません。

 

 さらに、ほんの少しの足の痛みでも、自然とかばいたくなりますから、動きが消極的になり、「だらけている」「やる気がない」と思われる可能性だってあるのです。

 

 聞こえが悪いと、人の話を正確に理解することができません。

 

 何度も聞き返していると、面倒だと思われてしまうこともあるでしょう。

 

 また、聞き落としてしまったことが、業務上での重大なミスにつながるかもしれません。

 

 聞こえが悪く、仕事でのミスを恐れて補聴器をつけた、30代の男性がいました。

 

 ところが、せっかくの補聴器も調整が難しく、なかなか思うように聞こえなかったといいます。

 

相手の声は聞こえても、別の言語を話しているようで、内容がまったく聞き取れない。

 

 また、会議のときにペンを落としたり、コップをテーブルに置いたりする音ばかり拾ってしまい、話している内容がまったく理解できなかった。

 

そんなことが何度も繰り返されたため、この男性は、「もっと根本的に治療できないか?」と、私の治療院を訪れました。

 

生活習慣を改善し、さまざまなエクササイズを行って半年以上経った後、この男性は「聞こえるようになって、仕事に前よりずっと積極的に取り組めるようになったんです」と、報告に来てくれたのです。

 

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嫁姑のトラブルも聞こえないのが原因?

 

 ご近所の人が、ひそひそ話しているのが聞こえない。

 

 そんなことが続くと、あなたは「もしかしたら、自分の悪口をいっているのかもしれない」と、気になってしまうかもしれません。

 

 また反対に、「おはようございます」と挨拶をしても無視されたら、「嫌われているのかしら?」と、心配になるでしょう。

 

 「補聴器をつけていなくても、年齢を重ねていなくても、聞こえづらい人がいる」ということを、ほとんどの人は知らないため、実際にトラブルに発展することが少なくありません。

 

 旦那さんのお母さんと暮らしている女性が、「話しかけても知らん顔される」「こっちを見るのだけど、返事をしてくれない」と、悩んで相談を受けたことがあります。

 

 「お義母さんに、健康診断だからといって、一度連れてきなさい」といったところ、やはり、中程度の難聴だったことがわかりました。

 

 お義母さんは、「まだ、自分はそんな年じゃない」と思い、聞こえづらいことを認めたくなかったのです。

 

 実際には、お嫁さんの声が聞こえていないことが多かった。

 

 そして、お嫁さんが自分を見ていても、話しかけているのかどうか、また、何をいっているのかわからないため、返事ができなかったのです。

 

 しかし、お嫁さんがそのことで心を痛めていたと知り、治療に通うようになりました。

 

 まわりの人とどうもコミュニケーションがうまくいかない……。

 

 そんなときは、「どちらかが聞こえづらいのではないか」と疑ってみてもいいかもしれません。

 

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